お菓子を作る小学生 胡麻のシフォンケーキ編(ちかれぽ)

ごまを擦る、という言葉は江戸時代の流行り言葉だったんですって。じっくり擦るとすり鉢の内側にベタっと貼り付いていく様子を、気に入られたくてべったりまとわりつき媚びへつらう姿の表現に使ったそうです。英語だとapple polisher(先生に気に入られたくて、りんごをピカピカに磨いて渡す生徒のこと)、中国語だと「馬の尻を叩く」(モンゴル地方の、馬に乗った人とすれ違うとき「いい馬ですねえ」とお世辞を言ってペチペチする習慣)と表すらしいです。今の小学生ちゃんって「ごまを擦る」って知ってるのかなあ。とりあえず実際に暮らしの中でごまを擦ったことがある子は9人中3人でした。6人は人生初挑戦のゴマスリ。おめでとうございます。よく、レッスンの中で卵を割るという作業が出てきたとき、先生が「卵割ったことない人?」と聞きます。手をあげた子には「よし、今日は卵パッカン記念日だね。」うちの先生ほど上手に卵の割り方を説明できる人っていないと思うな。あ、それとりんごのむき方の説明も。人生で初めてやることって上手く出来たら自信になる。子供の時から小さな自信を積み上げていくことができる、それがミサリングファクトリーの素晴らしいところだといつも思ってます。ごま擦りはみんな楽しそうにやってましたよ。

シフォンのレッスンはデモがノンストップなので(中断すると泡が潰れてしまうので)20分くらい子供たちはじっと先生の作っているところを見ています。集中力がなかなか持たない子もいて、脚が不自然に交互に上がってみたり、作業台に肘ついてもたれたりしますが、ここでじっとしっかり見ていられる子はお菓子作りがどんどん上手になっていきます。習うって見て真似することなんですよね。それは大人レッスンもそうだけど。初心者だと先生の言葉を全部メモることに集中しがちですが、まずは先生がどうやって動いてるかをよくよく見ることが大事です。デモで先生がしっかり泡だてたメレンゲはボウルをひっくり返しても落ちてきません。「みんなもこれやってみてね。」「えー。」目を見張る皆さん。

泡立てるといえば、ハンドミキサーの新機種を先生が発注して、今日は2台届きました。ビーターのワイヤが細いんだけど、メレンゲは全く問題なく作れます。ただ、粉をメレンゲに少しずつ混ぜるときには細すぎて引っかからないため、以前から使ってる幅広のビーターを使います。新機種の良いところは、軽いことです。今回のように5分も回さなきゃいけないお菓子だと、力の弱い子供にとってはハンドミキサーの軽さは大事。それからだんだん年を取って筋力が落ちてきた大人生徒(私)にも大事。年齢層の幅がとても広いミサリングファクトリー。

擦りたてのごまがたっぷり入るのですが、この香りが本当に素晴らしかったです。それと、岩井の白練ごまがとんでもなく美味しい。材料はごまだけなのに蜂蜜のような甘さと香りもありました。レッスン前に先生がスーパーで買った練りごまで作った試作をいただいたのですが、本番のシフォンは美味しさのレベルが違いました。「子供相手に本気出す。」と言って仕入れる先生。質の良い食べ物を頭より先に体で覚える子供たちです。

レッスン終わって帰宅し、とても久しぶりにごまを擦ってみました(夫が)。いつもすりゴマ買っちゃうからね。小松菜のごま和え美味しかったです。

来月はお弁当作りますよ。前回はみんなとっても上手に卵焼き作ってましたっけ。今回は何が入るのか、楽しみ。(坂本 知香)

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