伊豆高原「虹」ランチツアー(ちかレポ)

2月初旬の伊豆高原は早咲きの桜に彩られ、ひんやり澄んだ空気と暖かな陽射しが最高に心地よくて、まさに春のごちそうツアーにぴったり。去年まで鎌倉で日本料理店を営んでいた「虹」さんがこちらに移転してから初めての来訪です。鎌倉時代(イイクニではない)200個ほどのおせちを作るのにミサリングファクトリーの生徒さんが5、6名手伝いに行っており、お引越ししたらもうなくなっちゃうのかなーと心配していたのですが、去年末は「100個作るので、4名泊まり込みでお願いします」とのこと。くじ引きであたったラッキーな生徒さんのうち3人が今日のツアーのなかにいて、「ここで寝泊まりしたんです」という一間も見せてもらいました。しっかりお仕事して、たっぷり賄い食べて、温泉のお風呂に入って、ぐっすり寝たらはい元気。若いって素敵だ。

今回のツアーは10人ずつ、2月と3月の2回に分かれていて、松本先生は当初2回とも引率する予定が今回は来られなくなってしまいました。伊豆高原駅で待ち合わせし、2台の車に分乗してお店に向かいます。小高い丘を上ったところに素敵な日本家屋が。お家の前で奥様が変わらぬ笑顔で待っていてくれました。中に入ると蕗谷さんが「いやー、年末みんな帰ったら急に静かになってさびしかったよー」と、お手伝い組との再会を喜んでいました。ペレットストーブが赤々燃える部屋には立派な一枚板のテーブルがふたつ、広い窓の向こうには海が見えます。おしゃれなオーディオからおしゃれなジャズが。そしてとにかく広くなった厨房。「洗い物とか楽になったし、お皿をカウンター越しに渡せるのもすごく便利なんです」とSちゃん。すっかりこちらのスタッフさんですね。

お料理はひな祭りのあしらいの可愛いお盆に始まって、石鯛と金目鯛のお刺身、湯葉とハタの御椀、揚げたての天麩羅、とろける胡麻豆腐などどれも絶品。大きな土鍋がどーんと2つ、「今日は蛸とうどの炊き込みご飯、6合にしたよ」と。ところがなんと美味しすぎてあっという間に空っぽに。慌てて賄いの白飯にじゃこを混ぜ込んだものを足していただき、なんか申し訳なかったです。爆食系お菓子教室。。

お手伝い組常連だったMちゃん、この春から社会人になり県外へ行くことになりました。門出はめでたい、でも少しさびしい。しかし虹さんのお手伝い希望者は次の世代からも出てきていますので、引き続き御縁が繋がっていくといいなと思います。くじに外れた生徒さんが悔しがってたことを伝えたら「じゃあ、今年は200個にしてもっと来てもらおうかな」と蕗谷さん。の隣で仰け反る奥様。

古巣の小さな児童合唱団ではクリスマスシーズンになると、有名バレエ団から「くるみ割り人形」の2幕コーラスのお仕事の声がかかります。華やかなステージでおごそかなケープに身を包み声を出すのはとても晴れがましいことです。先生がいつもこどもたちに言ってるのは「この経験があたりまえに出来ると思わないで。先輩たちがこれまできちんと役割を果たしてきた実績があるから歌えるんだよ。あなたたちがちゃんとやらないと、後輩にチャンスが来なくなるんだよ。」まさに、虹さんのお手伝いもそのとおりで、こんなに素晴らしい料理人のお仕事を目の当たりにし、大事なお祝いのお料理を手伝わせてもらう経験ができるのは、Mちゃんはじめこれまで携わった生徒さんが頑張ってきたからこそなんですよね。こんなとき、ミサリングファクトリーってすごいとあらためて思います。

蕗谷さん、奥様、美味しいお料理をありがとうございました。

ご一緒したみなさん、楽しかったです。また行きましょうね。(坂本ちか)

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