7月のフランス菓子研究所 カシスとオレンジ(ちかレポ)

去年より1ヶ月くらい早い梅雨明け、スタジオまでの坂道の途中で鮮やかな色の日傘を差したきょうこさんと合流。「この坂がキツイっすよね〜」などと喋りながら到着しました。先生がサロンに麦茶を出しておいてくれて、ありがたいです。

「カシスとオレンジ」はスポンジとババロアの組み立て、先月と似てますね。今回のスポンジは「ビスキュイオザマンド」です。ローマジパンが柔らかいタイプなので、ビーターでゴリゴリやれば手でほぐさなくても大丈夫。新参者のハンドミキサーのビーターはワイヤが細くてこういうのも得意なのね。そしてとてもお久しぶりの「コンパウンドオレンジ」が入ります。私がこの世で二番目に好きなケーキ、「オレンジのショートケーキ 」とおんなじ生地。オレンジショート食べたくなる・・じゃなくって、今回はカシスですよ。どんな味になるんだろう。「カシスとオレンジは合うっていうのはよく知られてることだよね。カクテルにもあるし。」と先生。そういえば女子大生こぞって飲んでたなカシスオレンジ。

卵白が少ない上に、新参者ハンドミキサー氏が思いの外パワフルで、ちょっと立てすぎました。注意するようにって言われてたのに。1センチ2枚取れたらいいんだし楽勝と思ってたら結構ギリギリの高さだった。油断大敵ね。さらに驚愕の、スポンジごとにポンシュを変えるというね。1枚はオレンジのやつ、もう1枚はカシスのやつ。カシスの方にはゼラチンも少し入ってて、いつもと違うテクスチャーに戸惑いました。それと、冷やす時まな板に着く方の面に打つ量をもっと減らせばよかった。べったりくっついちゃって少し崩れました。

ババロアを作る時は、ソースアングレーズに入れる他に、生クリームの方にもリキュール類を入れます。それぞれほんのちょっぴり、なのに4種類の酒とか、先生曰く「オタクのお菓子」笑。このルセットを開発した時のトオルちゃん(弓田享大先生ね)はちょっといろんな拘りが凄すぎて尖りまくってたのだと思われます。気づいてなかったんだけど、ビスキュイのルセットで最後の方に「20回混ぜる」というのがあって、それが時代によってバター投入の前だったり後だったりするんですって。このケーキを作った時のトオルちゃんってどんなだったのかな、なんて思いながら作るのも面白いです。いつか直接レッスンを受けたいと思っていたけれどイルプルも今はお弟子さんが教えているみたいですね。

教室通って相当経つと思うんだけど、なんと今日は「初の材料」がありました。「オレンジコンサントレ」です。マンダリンオレンジの濃縮ピューレだって。コンパウンドとの違いはですね、コンパウンドは濃縮ペーストって書いてありますね。代用するなら皮をすり下ろしてグラニュー糖と擦り混ぜるので、皮もろともの濃いのがコンパウンド、果汁の濃いのがコンサントレということでいいのかしら。誰か教えてください。

ビスキュイ、カシスババロア、ビスキュイと重ねて、そこへクレムシャンティショコラブランを乗せます。生クリームに溶かしたホワイトチョコを混ぜるクリーム、「日本の乳製品はパワー不足」と嘆くトオルちゃんの編み出した技です。このクリームも久しぶりに作ったな。二人1組なのでひろこさんに迷惑かけないように緊張しつつ混ぜましたが、まあまあいい感じだったのではないでしょうか。充分冷やしたら上にオレンジのジュレをかけますが、それはおうちでやります。

はっきりした色づかいのケーキで、平に美しく重ねることができていないとバレバレです。ポンシュたっぷりのビスキュイを持ち上げる先生にカードを差し出したら、「あ、いらない、神なんで。」って言ってささっと重ねてましたが、試食の時の断面も最高に美しかったです。さすが神。見た目だけで激烈美味しいことがわかっちゃうケーキ。

試食の時は、「小さかった頃の記憶」の話になりました。りこちゃんが「3歳の時に病院で注射打たれそうになり脱走した」って言ったら、「あっ、おんなじ」って先生。注射器を持つ医者の手をバッと払って逃げたんだって。そんな危ない幼児がこんな狭い範囲に二人もいるなんて。私の3歳の記憶は、「大阪万博で母とトイレに行き、外でパレードの音がしたので飛び出していった」ですね。暗いところからパッと明るい光のなかに出て行った感覚を覚えてますが、その後迷子になって捕獲されて迷子センターでアナウンスされた記憶はございません。

今日も楽しいレッスンをありがとうございました。(坂本 知香)

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