11月のフランス菓子研究所 カレ・アルザシアン(ちかレポ!)

「この名前ってどういう意味ですか?」とかつては良く師匠に聞いていたような気がしますが、最近あまり聞かないですね。だいたいは種別(タルトだのガトーだの)と材料(ショコラだのレザンだの)のコンボです。まあ別に名前の意味なんかどうでもいいっちゃいいです。美味しければ。ところでカレはおそらく「四角」のことだと思われます。他に「キッパリとした」などという意味もあったけど、キッパリしたアルザスの奴、ってね。あ、それもなんかいいかもね。そしてアルザスはおそらくフランボワーズの産地なんだと思います。

このレッスン実は10年程昔に一度やってます。その時そんなに大変だった思いはしなかったんですが、先日師匠が重大なことを思い出しました。「これさ、パイ2枚焼くけどさ、こないだの時は1枚仕込みで焼いておいたんだよ。今の人数じゃそんなの無理だって。」そりゃ大変じゃなかったはずですよ、生徒は。そして師匠の偉大なことに改めて感謝です。「これ、やろうって言ったの誰よー。」次回の選考会は慎重に参りましょう・・・

今回は成形焼成しながら、明日のパイ生地の仕込み折りをやるというハイブリッドなレッスンです。自分ではない他の生徒さんの焼く生地を仕込むというのはなかなかスリリングです。いつもより丁寧にやることになり、とても良い練習になりました。それに、パイ生地の折りは実は大変シンプルです。折り一つが10センチなので、3つ折りするなら30センチに伸ばし、4つ折りするなら40センチに伸ばす。端が重なると厚みが均一になりにくいのでちょっとずらす。でもこれが頭に入るまでは苦労したんですよね。今から思えば不思議なんだけど。

ひとり2枚ずつの生地の焼成は、タイミングを考えないと焼き場前がバタバタします。しかも途中で天板乗っけたりお砂糖振ったりするものですからね。オーブンもひとりで一台使います。普段は二人で一台だったりすることが多いのです。なので今日はいつもはあまり出番のない年季の入ったオーブン、通称「おばあちゃん」にもお世話になりました。温度設定少し低めにするのがポイントなんだけど、やっぱりはじっこすこし焦げたわ。

食べれば最高に美味しいパイ、だけど作るの大変すぎる。なんかよい方法はないかしら?という話になりましたが、思いつかないなぁ。またしばらくしたら、大変だったことを忘れちゃうと思うので、そのときにまたこの美味しさに出会えると思います。(坂本 知香)

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