9月のフランス菓子研究所 ゴッホのようなバナナ(ちかレポ)
当然っちゃ当然ですが、材料を買い出しに行くお店のスタッフに、先生は身バレしています。
今回は一日10袋入荷のバナナを合計30袋買い占めたので、「バナナのケーキですか?」と聞かれたそう。
返事に困る先生。バナナのケーキって言うとなんとなく熟したバナナをにちゃにちゃにしてバターや卵や粉や砂糖混ぜてパウンド型に入れて焼いたやつみたいじゃない?それとはだいぶ違いますからね。っていうか、そんな生易しいもんじゃないからね。
ゴッホのようなバナナ。え、いや、いきなりどうした?バグった?
そうではなくこちらがこのお菓子の名称です。どこがどのようにゴッホか?わたしがいちばんゴッホだなとおもうポイントは、カットしたバナナをぽこぽこ並べて、隙間にクレームをうにゅーーっと充填するところです。でも創作者の意図はちがうかも。研究所のみんなに、ゴッホポイントを聞いてみたいわ。
パティシエールを二人一組で炊き、柔らかく練ったバターを混ぜ、卵黄とシロップを炊いて裏ごしして泡立てて混ぜ。これだけがんばっても、たぶん食べる人はこのカスタードなんか美味しいね、って言うだけだろうな。こういう突き抜けすぎる自己満足みたいなの、嫌いじゃないです。
ビスキュイは泡だてよりも混ぜだと思う、という先生の言葉を意識して、丁寧に混ぜ込みしてみました。パーフェクトにはちと足りなかったけど、余裕で一センチ2枚取れたので問題ありません。
試食は昨日作ったもの。クレームがいいかんじに固まってて美味しかったです。バナナの硬さがちょうどよかった。でもアンチバナナ族としてはこんなにバナナ要らないなあ。
試食の時に、ナッツが売れまくってるという話を聞きました。家にひきこもる間、少し健康的だと思えるおやつやつまみを選ぼう、という動きらしいです。そういえばうちの近くのスーパー、ナッツ売り場の拡張が激しいんだよ。
今日はとても涼しくて、エアコン使わずにお菓子作れたのですが、この気候もコロナの影響かも、と話しました。企業の活動がセーブされて放出される熱が減ったから、言ってみれば昔の環境に戻ったんじゃないかって。だって私が小学生の頃は夏だってプレハブ校舎でエアコンなんか無くて生きていたんだものね。
そうそう、このゴッホのようなバナナはリクエストレッスンで、初回は2011年だったと研究所仲間が調べてくれました。震災のあった年で、電力不足が深刻になったんだけど、その時ある方が「1985年の頃の生活をすれば十分足りる」って言ってたのを思い出したよ。そんなにおいそれと戻れやしないでしょうし、私達はそうやってガシガシと一心不乱に突き進んできて、それと引き換えにいろんなものを失ったんだろうと思います。
そして全く話は違うけど、5年前の今日はひろこさんみなこさんわたしで、ミサリングファクトリー認定試験のディプロマをもらった日だとフェイスブックが教えてくれました。お菓子の課題4つを先生も私達もだーれも覚えてないっていうね。でもこれのおかげでスタジオ借りられるのです。また美味しいイベントやりたいな。
先生、ご一緒したみなさん、楽しいレッスンをありがとうございました。(坂本 知香)