4月のフランス菓子研究所 苺のショートケーキ(ちかレポ)

苺のショートケーキってフランス菓子なんですか?と、先月後輩ちゃんに質問され、ガトー・オ・フレーズだからフランス菓子だと思うって答えたわたしは適当大臣。ただ、今君の頭の中にあるイメージのケーキとは全く違うものですからお楽しみに、とニヤリ。それから一ヶ月が経過し、とうとうその日がやってきましたよ。

ローマジパンの入ったビスキュイ、とても久しぶりに作った気がします。メレンゲは硬く立てりゃいいってもんでもなく、大切なのは合わせる材料の柔らかさをちょうどよいバランスに整えることと、気泡を潰さずに均一に混ぜることです。

オーブンに入れるところまではいい感じに出来ましたが、もう少し冷めてからカットすればよかったな。スライス面がいまいちでした。

苺のケーキの何が大好きって、果汁たっぷりのポンシュが大好き。ビスキュイにこれでもかと染み込ませます。いい香り。食べたときにじゅわっと苺が溢れ出すのがたまらない。

クリームは乳脂肪分が高いものを使い、苺果汁で煮詰めたシロップ入りのイタメレと4:3で合わせます。濃厚なのに軽やかで香りのいいクリームが出来上がりました。

今回、先生が仕入れてくれたのは「やよいひめ」という品種の苺。ケーキに使うのにちょうどよい、酸味のはっきりした美味しい苺でした。そして3年連続で友達の人気ケーキ屋でクリスマスに手伝いにいってるわたし、苺スライスの速度が抜群に上がっています。なんでも回数こなすと身になるのね。

クリームを均等に絞り、苺を隙間なく並べ、水平になるよう重ねる。地味ですけど技術が要ります。だいたいいつも、仕上げになると注意力が途切れちゃうんですが、先生がちゃんと見てて「こっちが高くなってるよ」と教えてくれます。いや、それだめだから。もうそろそろ自分で気付こうかね。

ところで、生クリームのケーキが好きじゃない、という方に時々遭遇するのですが、食べたクリームの質と状態が良くなかったんじゃないか疑惑があります。植物性油脂のものだったり、温度管理に失敗してたり。今回のケーキの場合、絞り袋に全量入れず一段分ずつ入れ、残りは使う直前まで氷水で冷やしておく、ということをしています。絞る時は手袋で、体温がクリームに伝わらないようにしています。すべては美味しく食べるためね。

最後は苺のスライス面にたっぷりとジュレを塗ってつやつやに。

苺のショートによくある仕上げは、星口金などでクリームを絞って、まるのまんまの苺を飾るスタイルですが、この手法だと苺のサイズにとらわれないので、知ってると便利ですね。

さて我らがミサリングファクトリー、もうすぐ15周年です。三年ぶりにお祭りもやります。通常レッスンは現在キャンセル待ちの大人気。しかしお菓子作ってみたい需要はオトナ男子にもあるらしい。制約の多い生活から少しずつ抜けて、楽しいことを見つけたいなぁと思う春です。(坂本 知香)

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