お菓子を作る小学生 丸パン編(ちかレポ)

梅雨明け翌日の強い日差しの中、小学生さんたちがわらわらとやってきます。本日は9名でのレッスン、広いスタジオのスペースを使い切る勢いですよ。

作るのはころんと丸いパン、卵は入らず、牛乳で捏ねます。今日は最初からひとり1セットずつ用意されています。粉類はビニール袋に入れて、そこへ牛乳を加えたら、袋の口をぎゅっと掴んでぱふぱふと振り、一刻も早く水分を粉に行き渡らせます。ここ、ポイントね。

それから袋のまま生地を捏ねます。体重を使ってね。「みんな20キロくらいはあるでしょ?」と言うと、「ううん、わたし19キロ。」ですって。

まとまってきたらバターを投入し、さらに捏ねます。そしていよいよ調理台の上に出して、のばしたりたたいたり。「パンはたくさんいじめるとよく膨らむよ」と先生がいうと、みんなニヤニヤ。「あ、いじめるって言葉はよくないね。叩く、かな。」やっぱりニヤニヤ。ちょっとした背徳感が楽しい小学生。そして、最初に先生が見せてくれた「よく捏ねたのでふんわり膨らんだパン」と「捏ね足りなかったのでぎゅっと詰まってしまったパン」の見本が頭にあるから、ふんわり目指して頑張る。

さすがに10分もやるとだいぶへとへとですが、生地の仕上がりはなかなか良いです。いや、といいますか、世の中の小学生はこんなに上手にパン捏ねられないと思う。みなさんおさすが。先生も感心しきりです。

そしてパンのレッスンでは必ず指導される、小麦粉のくずの始末について。排水管に流すと詰まるし、タオルで拭くと繊維に絡みついて取れません。カードで集めてゴミ箱に捨てる、こびりついたのは水のスプレーをかけて緩めて古布で拭き取って捨てる。こういう所作を繰り返し伝えているので、みんなきちんと片付けます。チョコレートや餅なんかもそうですね。定期的に配管お掃除に来る業者さんにも、いつもキレイだと驚かれるそうですよ。

袋に戻して一次発酵、分割して丸めてシリコンのマフィン型に入れたら二次発酵。その間に試食です。でもやっぱりみなさんの片付け終わるまでに焼き上がらない。パンは作業はたいしたことないけど、いかんせん待つのよね。オーブンと発酵器の間でうろうろしてて、ふと後ろを見るとスタジオの入り口でしゃがみこんでガン見してるみなさん。圧すごいですけど。もうちょっとお待ちくださいね。

さてようやく焼き上がり、各自袋に入れて持ち帰り。すぐにしめたら湿気るから口は開けておいてね、と声かけながらお渡ししました。9人一気に去ると急にがらんとしますね。

もうすぐ夏休み、みなさんの夏が楽しくて安全なことを祈ります。(坂本 知香)

フランス菓子研究所会員募集