11月のフランス菓子研究所 タルト・テ・イグレグ(ちかレポ)

家族の誕生日にドンピシャでレッスンなんてことは珍しいですが、さすがうちの義理パパ、持ってます。しかもキリ番で大変おめでたい。作りながら「今日はバースデーケーキなので頑張ります。」(いつも頑張れよ)と言うと、皆さんが「え?これ?」とおっしゃいます。確かに焼き菓子ですので色目ちょい地味ですが、そのために前の晩、クッキーを赤く塗って用意しましたよ。

マンケ型の登場は久しぶりです。底より天の方が直径が長くて、タルト生地をきれいに貼り付けるのに少し注意が必要。松本先生が「底の角にきっちり生地を押し込んでくださいね。そう毎回言ってるのにやらない人がいるんだもの。ここですよ。」ってデモで念押し。聞いてても、見ていても、わかっていても出来ないことってありますよね。そういえば数年前、キッズの子が先生に「そうじゃないよ、こうだよ。」って言われて「わかってるんだよっ」とちょっとキレてて思わず笑ってしまったことがあって、その話をしたら皆さん爆笑でした。

アパレイユは順番に混ぜるだけ。だけ、と言ってもそこは技術です。今回は混ざってなきゃいけないけど泡立てちゃいけない、そんな状態を目指して混ぜます。自宅でお菓子教室を時々開催するひろこさんが生徒さんに、デモでは簡単そうにやってる様に見えるのに、自分でやってみたらそうじゃなかった、とよく言われるんだそうです。私も先輩がいとも簡単に弾いてるギターを真似しようとしてもなかなか音にならないのですが、そこはもう練習しかないんですよね。そして、間違えた方法で練習しててもダメなので、それを見てて教えてくれる先生のところに通うのは意味があるのです。ちゃんと出来た時にほめてもらえたりするのは、大人でも嬉しいもんです。

青森から取り寄せてくれたリンゴは大きくて立派な「むつ」です。「ゴールデン系」という指示なんですけど、どういう系なのか調べてもよくわからなかったそうで、「黄色いから良いと思ってむつにしました。」と。ソテーしたものがタルトに入りきらなくて、一切れ試食させてもらったら、酸味がはっきりしていて歯応えと香りの良いとても美味しいリンゴでした。産直のリンゴとスーパーのリンゴはなぜあんなに差があるんだろうね、なんて話をしながら食べました。そしてびっくりしたんですけれど、紅玉って生食には向かないんですってね。キリッとした酸味好きだけどなあ。以前何かのレッスンの時、玉ねぎを生食するって聞いた時くらいの驚きでした。

焼き上がりにキャソナードをこれでもかと振りかけて、じゃり感が残る程度に焼き目を入れます。義理パパは食べながら「砂糖がいっぱいだねえ。」と喜んでいました。そこに加えてアイシングクッキー だからね。糖分爆弾。年に一度だから良いことにしましょう。前のレッスンの方からの伝達で、持ち帰る時崩れやすいと聞いてたので、厚紙の帯で完全ガードした甲斐がありました。ありがとう皆さん。

来月はとうとうクリスマスメニューです。一年の早さよ。(坂本 知香)

キッズファクトリープチ会員募集中