7月のフランス菓子研究所 バジルとヨーグルト(ちかレポ)
バジルとヨーグルト買いに行かなきゃ、と先生。レッスンは後1日だけど初日に間に合う様にハーブ園で買ってきたバジルが変色しちゃったんですって。お菓子作りをあまりしない人と話をすると、一番のハードルは「材料を揃えること」だとよく聞きます。確かに、教室で作るのが楽しいのは、買い物と計量をしなくて済むからっていうのが大きいかも知れない。
ってことじゃなくて、言いたかったのは「ネーミング」のことですよ。大師匠はゲーテとかに陶酔しちゃうタイプの若者だったらしく、時代によっては「早い春のひだまり」とか「モネの睡蓮」とか「ゴッホの様なバナナ」とかいう名前を自作のお菓子につけているんです。でもそこから一周回って、使ってる素材がそのままタイトルってやつが出てきました。そんなわけで、バジルとヨーグルトを大量に使ったケーキが今月のレッスンです。
作る前からイマイチピンと来ませんでしたが、自分で作ったのもよくわかりませんでした。大師匠のお菓子は時折、魂レベルで感動することがあるんだけどこれはちょっとわたしの魂には響かなかった。レモンの皮のすりおろしがたっぷり入ったヨーグルトとフロマージュブランのムースはとても好きだけど、葉っぱがこんなに混ざっていなくてもいいかな。でも家族は「これ好きだなあ」って言ってたから良かったです。好きは人それぞれ。
それぞれって言えば今回、先生が他の生徒さん仲間に指導してたことについて、その方が「へえ〜初めて知りました。それってすごいですね。」って言っててびっくりしました。それ、わたしは何十回も聞いてる。その中には子どもレッスンのアシスタントの時に聞いてるのも含まれてるけれど、少なくともその方にとって初めてってことは確実にない。ないけど、その方に響いたのが今回初めてだということなんです。わたしも2週間前に届いてたメール、差出人見て斜め読みしてたものを必要に迫られて掘り起こした時に「え。初耳なんですけど。ちゃんと言ってよね。」なんて思っちゃうから。受信精度、磨いていこう。
レッスンが楽しい理由のもう一つは、試食です。土曜日メンバーはとてもカラフルで、面白い話をたくさん聞けるのです。今回は、拡大鏡やタンパク質やハーブソルトやきゅうりの話。きゅうりの花に雄と雌があるなんて知らなかった。
最後はいつもみんなで「来月は何作るんだっけ」と確認。「トゥロピック」という、パイナップルのお菓子。写真を見て、「あれ、これ前にやらなかったっけ?」「そうだっけ?それはトリアノンじゃなくて?」「違うよトリアノンはなんかクサイお酒を使うやつでしょ」と盛り上がってから帰路に着きます。ジェノワーズココってどんなんだろう。来月も楽しみです。(坂本 知香)