加賀百万石の台所、越中高岡へ│高岡熱中寺子屋
”もう一度7歳の目で世界を…”を合言葉に全国に広がる熱中小学校。今期は富山県高岡市の瑞龍寺を拠点とする高岡熱中寺子屋で授業してきました。
作ったのは干し柿の水ようかん。
今月のキッズファクトリーでも苺の水ようかんを作っていますが、水ようかんはお鍋ひとつでできる簡単で美味しい和のおやつです。
今回は前泊で高岡入りしました。当日は早めに会場入り。
作ったものはすぐに食べられないので事前に試食分を作っておきました。そして授業のセッティングをしているとあっという間に授業の時間13時です。
生徒さんが続々といらっしゃいました。今回は40名〜50名くらいかなー。
ご挨拶からのデモンストレーション。流れを説明してさっそく実習に入ります。
熱中小学校の授業での狙いは、生徒さん同士のコミュニケーション、お菓子作りってこんな簡単なんだと思ってもらうこと。
グループに分かれて、みんなでおしゃべりしながら作っていてもいつの間にかできちゃうというゆるさで行います。ミサリングファクトリーのレッスンとは対局的?笑
「こんなにおいしいものが簡単にできるのでびっくりした。」「昔は作っていたけど最近はおやつ作りをやらなかった。でもまたやってみようかなと思った。」「子どもに安心なものを食べさせたいのでやっぱり手作りがいいと思った。」「思ったより簡単だった。」「みんなで作ったのが楽しかった」など、嬉しい感想をたくさんいただきました。ありがとうございます。
そして試食時間を利用して「小さな事業の育て方」という話を少し。
熱中小学校の目的は地方創生。これから何かやってみたい、事業を起こしたいと考えている生徒さんに参考にしてもらえればと思い、家庭科の調理実習にプラスしていつも私自身の経験をお話ししています。
今回も何名かの生徒さんから「やりたいことがあるので刺激になりました。」とお声がけいただきました。わたしの話を聞いて顔つきが明るくなる人、目が輝く人が一定数いるので、いつも話してよかったなぁと思うのです。
起業したからといって売上高を伸ばさなくてはいけない、規模を大きくしなければいけない、そんな気負いは不要です。
「小さな事業でもいいんですよ。自分の納得のいく事業のカタチを作っていきましょう。」ということを全国で伝えていきたいと思います。
今回は、会場となった高岡市生涯学習センターのキッチンスタジオが広くて器具道具が揃っていたこともあり、オンタイムで進行することができました。ご協力くださったスタッフの皆さんに感謝です。
いつも熱中小学校ではその地の素材を使ったお菓子を作ります。今回は高岡の干し柿を使おうと思って水ようかんにしたのですが、企画書をお渡しした3月にはもう干し柿がありませんでした。保存食なので通年あると思っていたわたしの知識不足。スミマセンでした…。
そんなわけで干し柿は他県のものを使いましたが、高岡の老舗和菓子屋「大野屋」さんに特別に作っていただいた白あんを使うことができました。大野屋さんをよくご存知の生徒さんたちも大変喜んでくださったし、特別においしい水ようかんができました。これがまた大感激するほどのすばらしくおいしい白あんでした。加賀百万石の歴史の重みですね〜。
熱中小学校の授業はどこも初めて行く場所でいきなりの実習です。オファーをいただきメニューを考え企画書を作るところから、細心の注意と緊張の連続。ハードではありますが、わたしの夢は「世界中でながしのお菓子教室をやる」なので、熱中小学校での授業はまさにぴったり。毎回「そういうことがあるのか!」という想定外のことが起こるのですが、想定外のことが起こることが想定内。それをいかにリカバリーするかが醍醐味です。調理実習を開催するのは、講義に比べてずっと工数がかかりますが、一緒に作業をすることと、作ったものをみんなで食べることはお互いの距離をぐんと縮めます。熱中小学校のみんなを盛り上げるコンテンツとして役立つと思うので、これからも各校でやっていきたいと思います。
今回お招きいただき、授業開催のために尽くしてくださった高岡熱中寺子屋の皆さまに感謝申し上げます。
【番外】
今回は2泊3日で高岡を堪能しましたー。
高岡は加賀藩前田利家が築城した高岡城を中心に発達した街です。一国一城令により城はなくなりましたが、利家を継いだ利常が商工業の街として発展に力を注ぎ加賀の台所と呼ばれる商業都市として繁栄しました。そんな歴史からか、加賀藩の誇りと美学を人々や街の随所に感じました。古いものを大切にしつつ新しいものも取り入れていく、洗練された粋なところがとても魅力的。
▼国宝「瑞龍寺」 高岡熱中寺子屋はここで授業が行われます。
▼世界遺産「相倉合掌造り集落」
▼ちょうど子ども獅子舞の日で貴重な舞を見学することができました。
▼ほんまちの家(民泊)
▼旅館「角久」にて 古布を使った手作りの人形
▼「角久」は大仏様の目の前。二階の窓から大仏様が見えます。
▼日本三大大仏「高岡大仏」 与謝野晶子に良い男と称されたイケメン大仏
▼射水(いみず)神社 瓊瓊杵尊を御祭神とする神社
「観光客はほとんど来ないんです。」と角久の女将さんが言ってましたがその余裕のあるところも素敵。すっかり高岡ファンになりました。 興味をもたれた方、ぜひ高岡へ行ってみてください。