6月のフランス菓子研究所 プラリネとシナモンのプログレ(ちかレポ)

「プログレ」って単語に初めて遭遇したのは10年くらい前で、それは子供の頃にお世話になってたピアニストのお姉さんの彼氏の話を聞いてる時でした。彼氏は若い頃ロックバンドでメジャーデビューしていたんだけど、その頃はバンドを売り出す手段が「アイドル」でしかなくて、やりたい事と押しつけられる事の解離が激しくて、違う形での音楽家さんになっての今があります。そのアイドルロックバンドに関する記事に「プログレ」って書いてあったんです。意味がわからないので調べてみたら「前衛的な」とかそういう感じでした(ぼんやりしてるな)。それをこんなに年月を経て、しかもお菓子教室で聞くだなんて、長生きするもんだな。

何しろいつも感謝の先生の仕込み済み生地ですが、今回は6種類のうち4種類を仕込んでおいてくれたので、楽しく組み立てるというのがメインのレッスン。デコレーション大賞か。ですので作っている時にはそんなに感じなかったのですが、食べてみた時にこのお菓子の「イキってる」加減がよく分かりました。これこれ、これがイルプルのお菓子ですよ。ガツンと感じる糖度、それぞれの生地の食感のバランス、シナモンの芳香、プラリネの濃厚さ。そして意外に、上に飾りみたいに絞る少量のクレームオブールがしっかり仕事しています。レッスンしながら、「まあ作らないと思うけど、もし家でも作るのなら、たったこれだけクレームオブール用意するの大変だよね。チョコペンでいっか。」と言ったら「それはやめて。」と松本先生にまあまあな勢いで制止されましたが、確かにここでチョコペンやったら台無しすぎますね。

同量の材料で同じ様に作っても、作る人によってセルクルの埋まり具合が違うのが不思議です。マカロンやムースの気泡の具合なんだろうな。それは混ぜ方の違いですよね。「お菓子作りは混ぜ方の技術」と先生。私は相当やってる筈なんだけど、寝不足とか気合不足とかでダラッダラな生地になっちゃうこともあり、むしろメンタルやフィジカル頑張れよって感じです。

混ぜ方と言えばこどもレッスンの時に先生が「均一に混ぜますよ。ところで均一って言葉わかる?」と聞くと、案の定低学年さんは「わかんない」と。中高のお姉さんたちに「均一って小さい子にわかりやすく言うなら何ていう?」と聞くと「同じ様に混ぜる。」という回答だったそうで、なんかそれもいまいちピンと来ませんよね。私はもう、「均一」は「均一」でいいかなと思うので、何かと何かを混ぜた時、ムラがなく全体がこれ以上なく良く混ざってる状態を「均一」って言うので、もうお菓子星人言語として覚えてねって言いながら、どういう状態がそれなのかを目にもの見せて刷り込むのがいいと思います。小さい子が「均一」なんて言葉使うと、親御さんや周りの人が「おっ。」って思ってくれるだろうし、そういう新しくて使える知識が増えていくのも習い事の意義ですよね。

今日も楽しいレッスンでした。先生、ご一緒した皆様ありがとうございました。

さて来月はパウンドです。均一に混ぜるっていうのが100%なお菓子だね。イルプルのパウンドは心から美味しいから楽しみです。(坂本 知香)

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