憧れのパティシエ ミサリングファクトリーお話会「加藤 麻由さんのお話」(ちかレポ)

ミサリングファクトリーに通って来る生徒さんには

「将来パティシエになりたい。」という夢を持つお子さんが

多くいます。

女の子の将来なりたい職業ナンバーワンの時代からは

ちょっと離れてしまいましたが

それでも根強い人気。

今日はそんな小・中学生のために

ミサリングファクトリー出身で初のパティシエとなった

まゆちゃんがお話会に登場してくれました。

まゆちゃんがミサリングファクトリーに通い始めたのは

中学1年生。

翌年には周年祭のスクールカフェの幹事を見事にこなし

大学生になってからはプチクラスの講師も経験して

現在、港南区に30年続く老舗パティスリー

「ブルージュの丘」にお勤めです。

中学生の頃から、一本通った芯の強さが印象的だった

お嬢さん。でも後輩にはいつもニコニコ優しくて

2歳下のムスメにとっては頼れるお姉さんです。

小さい頃から「食に関わる仕事をしたい」と思っていた

まゆちゃん。最初からパティシエ志望というわけではなかったそう。

高校、大学と様々なバイトをして

製菓、材料や道具の販売、ホールなどを経験する中で

「働く人の環境、モチベーション」という視点で

お菓子屋さんに勤めようと思ったそうです。

もう一つには、若い頃にパティシエをやって

その後で販売や開発など他の仕事に就くことは出来そうだけど

逆は難しいだろうという発想もありました。

パティシエになってみて実感したことは

「同じことを繰り返し、習得したら次へ進む。

分業して作るので、一通り全部出来るようになるまで

かなり時間がかかりそうだ。」ということ。

冷菓、焼き場、パイやクッキーの成形、チョコレートなど

それぞれに約1年の経験が必要になります。

全部出来るようになるのに5年、と先輩から言われたそうですが

現在3年目のまゆちゃん、もうちょっとかかりそうだなと目算中。

パティシエになって嬉しいことは

「お客さんから、美味しかったと言われることと

自分が作ったものが全部売れること。」

特に、昨年チャレンジした「若手パティシエ育成プロジェクト」の

「オリジナルケーキ製作、販売」の期間中は

売れ行きを心配してしょっちゅうショーケースを覗きに来るもんで

販売スタッフさんに笑われちゃったとか。

「ケーキを買いに来る人は、誕生日とか何かのお祝いとか

ハッピーな状態の人。そういう職場環境は嬉しい。」とまゆちゃん。

確かに、ケーキ屋さんで難癖つけてる人ってあんまり見ないよね。

そして、今日来ている小・中学生ちゃんに

「パティシエになるために、今からやっておくと良いこと」を

教えてくれました。

「体力づくり」

早朝から夜までほとんど立ちっぱなし

重いものもガンガン運ぶのです。体力大事。

「お菓子をたくさん作る」

作ることそのものがつまんなくなっちゃったら

続かないお仕事です。作るのが好きでいられることが大事。

「周囲がよく見える人、コミュニケーションが取れる人になる」

まゆちゃんのようなお菓子屋さんに勤める場合は

職人の世界ではあっても、チームワークが必須です。

自分のことだけじゃなく、次の工程の人のことも、

育てるべき後輩のことも考えることが大事。

「お菓子だけじゃなく、色々なことに興味を持つ」

例えばお料理するのでも、買い出しからやってみて

食べたことのない野菜などにあえてチャレンジしてみたり

美術的なセンスを磨いたりすることも

美味しくて美しいケーキを作るのに役立ちます。

色々なことに好奇心を持ってなんでもやってみることが大事。

お子さんたちに、どんなお菓子が好き?と順番に尋ねると

「チョコレート」「あまーいケーキ」「和菓子」など色々。

和菓子といえば、と松本先生が

お知り合いの方のホームページを見せてくれました。

そこには美しい器に美しいお菓子が並んでいる

アーティスティックな写真たちが。

「こういうお仕事もあるよね。」と先生。

お菓子が好き、といっても、お菓子に携わる仕事としては

パティシエ一択ではないのです。

どれが自分にとって好きで楽しい仕事かを

見つけられたらいいですよね。

ムスメが中学生の時、学校で

「将来なりたいものを書け」と言われて

白紙で提出し、母のわたしが説教くらいました。

中学校ではそこから逆算して、どこの大学へ進めばいいのか、

そのためにどこの高校を目指せばいいのかを決めるので

今それが決まってなくてどーするんですか、みたいなことでした。

わたしはとりあえず大人しく聞いてましたが

何になりたいかを探すところが高校大学ですよね、と思っていました。

たくさんの人に会って色々な経験をして様々な思考に触れて

それでようやく自分のなりたい姿が見えてくるのではないでしょうか。

今日参加したお子さんたちは

そのまま初志貫徹でパティシエになるのか

それとも他になりたいものを見つけるのか

まだわかりませんが

まゆちゃんのお話は確実に

心の中に刻まれたことと思います。

まゆちゃん、貴重なお休みに貴重なお話を

ありがとうございました。

(坂本 知香)

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