6月のフランス菓子研究所 ギャレット・ノワ(ちかレポ)
ボウルに入ったバターを
ちょうどよい具合に緩め
そこへ細かい粒子の黒糖を
少しずつ加えては
その度に100回混ぜます。
すぐになめらかな
褐色のクリームに。
綺麗だなぁ。
今日のお菓子は
ギャレット・ノワ
くるみたっぷりのお菓子です。
こういう作業、久しぶりですね。
と松本先生。
ぐるぐるぐるぐる。
10秒に15回のペースって
わりと素早い動きです。
これ、いつも100回でしたっけ?
50回じゃなかった?
いや80回じゃない?
と生徒のわたしたち。
覚えてる限りで一番最初に
これをやったのは
サブレ二種類のレッスンでした。
両方で千回以上ぐるぐるしたので
軽く目眩したような。
「白っぽくなるまで」とか
「ざらざらしなくなるまで」とか
曖昧なレシピでクッキーを作ってきた
わたしには衝撃的でした。
弓田先生の味に近づけるには
丁寧に愚直に作業することと
良質の材料を使うこと
これが大切なのです。
なにしろ、混ぜる回数をズルしたお菓子は
弓田先生にすぐバレるんだって。
黒糖に続き卵、くるみを挽いたもの、
アーモンドパウダーを混ぜ込み
粉を入れる前に一回り大きなボウルに
移しかえます。
わざわざサイズを変えるのは、
材料をしっかりと確実に混ぜるため。
そして美味しさのために
新しいボウルと粉はきんきんに冷やしたものを使います。
粉を入れたら、カットしてないくるみと、
丸い粒になっている黒糖を混ぜます。
くるみ、丸のまんま入れちゃうなんて斬新。
そして丸い粒の黒糖をはじめて見ました。
パッと見、ブラックペッパーホールみたい。
そして、丁寧に作業することと、余計な時間をかけることは違います。
ぐずぐずしてると、どんどんダレる生地。
ちゃんと出来ていれば、最後に
手で直接まとめてぽんぽんしても
べたっとくっつくことはありません。
ラップに包んで一晩寝かせます。
今日作った生地は持ち帰り。
松本先生が仕込んでおいてくれた生地を
のして型抜きして焼きます。
割れやすかったり、べたついたり
少し扱いに注意が必要。
やみくもにのさないで、
ちゃんとスケール使いながら。
この手のお菓子はアイスボックスに
することが多いのですが
丸ごとくるみのせいで型抜きかなぁ、
とみんなの推測。
高温でかなりきつめの焼き色仕上げ。
丸い粒の黒糖が溶けたあとに冷え固まり
しゃりっとしてるところが美味しいんですって。
試食はさっき先生が焼いたものを。
さっくさくの歯触り、くるみのいい香り。
甘さがそんなに強くないけど
黒糖のあたたかな風味がふんわり。
焼いた翌日はまた違う美味しさかも。
さらりと2時間で終了のレッスン。
お陰で午後もたっぷり遊べました。
松本先生、ごいっしょしたみなさん、
ありがとうございました。
(坂本 知香)