2021年手作り梅干しワークショップ(ちかレポ)

これあげる、と小さな瓶に入った果肉たっぷりの梅干しを松本先生に分けていただいたのは7年くらい前でしょうか。祖母も母も梅仕事をする人ではなかったので、はじめて食べる手作りの梅干しの美味しさに感動しました。チャック付きポリ袋を使えば手軽に出来ると聞いて私も作り始め、梅干し仲間と秋になると食べ比べのランチ会を開くまでになりましたが、何となく去年は乗り気になれず作るのをパスしちゃったんですよね。

今年はどうしようかな、と思っていたら、ミサリングファクトリーでワークショップをやるとのことで、参加してきました。親子で参加してる小学生会員さんや、ふだんはお子さんがお菓子を習ってるスタジオに初めて立つというお母様もいらっしゃいました。こういうイベントとても久し振りで嬉しいな。

梅は毎年取り寄せている、和歌山はみなべの高級な南高梅です。和歌山ってどこにあるかわかる?と小学生に聞いてみたら、「わかんない」「四国の近く」などとお返事が。とにかく遠くからわざわざやって来た梅さまなので、丁重に取り扱いましょう。届いてすぐはまだ青さもあるけど、スタジオのなかで追熟させたら黄色くなってとてもよい香り。丁寧に洗ってからタオルで水気を拭き取り、なり口を竹串で取り除きます。水が残っていると痛みやすいから慎重にね。

ポリ袋に入れたら梅の重さの18%の粗塩を入れ、なるべく空気を抜いて口を閉めます。閉めたら中の梅に塩が行き渡るようにごろごろ。皮が薄いから気を付けてね。塩分濃度は、初心者は18%を守る方が失敗しにくいです。あ、ハチミツ入りにしたかったら、ここに梅の重さの10%のハチミツを入れるんですって。

さあ、あとは梅酢があがってくるまで、気を付けてあげますよ。松本先生が、「ペットを飼ったつもりでお世話してね。」ですって。もしかびが生えて来たら、しっかり取り除けばよいので、あんまり気構えることなく、ゆるやかに見守るのがよいと思います。梅雨が明けたら最低3日は干しますが、もっとたくさん干したかったらそれでもいいし、一昨年みたいにかんかん日照りの日が足りなかったら、梅酢につけたまま年越ししてもいいんですってよ。

梅を干すとき、一年目はかなり気を使って慎重に作って、それなりにおいしいのができましたが、二年目はちょっといろいろサボって適当にやったら、ざるに張り付いて皮がみんな破けるという羽目に。猛省して、三年目はとても丁寧に作りました。梅をひっくり返すとき、尊敬する佐藤初女さんのように一つずつ手のひらでぽんぽん叩いたりしてね。当たり前なのですけど、手をかけて気持ちを注いで作ると、もう断然美味しいわけですよ。ただ塩漬けして干すだけなのにね。あ、そういう単純な工程だからこそ、差が出るのか。

今年はまた梅干し一年生の気持ちで作ろうと思います。

試食は松本先生の2019年作の梅干しを使ったおむすびと、梅シロップの水割り、先生が摘んで干したというどくだみのお茶。おむすびも梅シロップも安定のおいしさ。どくだみのお茶ははじめてでしたが、予想してたほどドクドクしい味ではなく、浄化されそうな味。お肌に良いんですって。

松本先生、ご一緒したみなさん、楽しい時間をありがとうございました。(坂本 知香)

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