出張お菓子教室@あっとほーむ様(ちかレポ)
とっぷりと日も暮れた住宅街をうろうろしていると、元気な子供達の声が聞こえてきました。
あっとほーむさんはお迎え付き夜間保育・学童保育です。お泊まり会の夜に、お菓子作りを教えて欲しいとのオファーを受けた松本先生について行きました。
まずはお夕飯を一緒にどうぞ、と美味しいカレーをご馳走になりました。子供達に倣って、お皿に食べたいだけの量を自分で盛りつけます。ほうれん草の和物やレタスとトマトのサラダもあって、どれも美味しかった。野菜が好きじゃないのか、お皿一面カレーの子もいましたけど、誰も何にも言わないところが素敵だなあと思いました。わたしならうっかり、「野菜も食べなきゃダメじゃん」って言いそう。
お皿を持って並んでる時に、女の子がやってきて先生とわたしに「どっちが大きいの?」と質問。年齢のことなのか、身体のサイズのことなのか、混乱してるとさらに「お母さんはいるの?」と質問。新入生だと思われたのでしょうか。先生が「いますよー、存命です。」と答えると「ゾンメーって何?」何とも新鮮な気持ちで会話しました。
カレーの後、豪華フルーツ盛りもいただいて、いよいよお菓子教室の始まりです。あっとほーむ主宰の小栗さんが、「シフォンケーキとガトーショコラを教えてくれた先生よ」と紹介すると、みんなが称賛の眼差しで師匠を見つめます。今日作るのは「スニッカーズ風チョコバー」。先生が作ってきた見本を見せて「スニッカーズ、知ってる?」と聞くと、「何それ」「知らなーい」。興味津々、キラキラした目で見てました。
スタジオでも恒例の材料確認も、みんな積極的に発言していました。卵白がわかりにくかったようで、「これなんだっけ」「卵白だよ」「それってなんだっけ」「卵の白いところだよ。」「あ、知ってる、目玉焼きの時白いのある。」たまたま、朱塗りのお椀に入っていたので色がよくわからず、「何色?」「白だよ」「いやちょっと黄色いんだよ、黄身があるから(卵の中で一緒になってるので色が移っているということらしい)」とみんなで討論。子供の感性って多彩なんだなあと感心。
チョコレートを溶かしたり、ヌガーを煮詰めたり、2チームに分かれて仲良く作業しています。お姉さんが小さい子に「今度は〇〇ちゃんやってみる?」と声かけています。スタジオにある製菓用のツールではなく、あっとほーむさんが普段使っているキッチンにあるもので作るので、薄手の鍋が火当たり強く焦げやすかったり、木杓子が鍋肌にきれいにあたらず混ぜむらがあったり、勝手が違うのでドキドキしました。そして当たり前ですが、ボウルもヘラも手も机もチョコだらけ。ふきんの汚れてないところを探すのがだんだん大変になっていく。
最後のチョコがけの前、十分冷やす時間を取りたかったので、いったん解散。別室でお楽しみ会に突入です。自作のフリップでクイズ大会、みんな大好き「パプリカ」ダンス。なぜかみんなから見えない廊下でパーカッション(鈴)の女の子がかわいい。
そろそろ固まったかな、というところでお菓子教室を再開。まずはチョコレートをもう一度温めて、秤を使って均等にかけます。これでしっかり固まったらカットして包むんだけど、それはまた明日。見本のチョコバーをほんの少しずつみんなで試食。おいしい、ってニコニコしてくれました。良かったです。
すでにお風呂も終わってパジャマの子もいるお部屋。これから入る子達は「〇〇ちゃんと一緒に入るんだもん」などとはしゃいでいます。一回に二人入れるんだって。小さい頃行った合宿を思い出しました。お泊まりって楽しいよね。
十数年前、わたしも自分の子供を学童保育に預けていて、仕事が遅くなったりすると指導員さんに無理を言ったりしていました。大急ぎで迎えに行って子供が安全に楽しそうにいるのを見つけるとほっとしたものです。当時何かのイベントで施設のオーナーが挨拶した時に、「本当は子供は母親と一緒にいるのがいいから、学童はないに越したことはない」という主旨の発言をして、反感と共にうっすら罪悪感もありました。でも無事に育ち上がった子供を見ていて思うことは、学童で得たいろんな経験が社会人生活に確実に役に立っているということと、仕事の時間と母親の時間を両方持てたわたしが精神的に安定した状態で子供に接することができたのも、彼女にとってはいいことだったということです。
そうか、あの女の子の質問は「わたしはお母さんが働いている間、ここにいることを楽しんでいるんだけど、あなたがここに来たのもそういうことなの?」の意味だったのかな。またお話の続きを楽しみにしています。
(坂本 知香)