海外の日系人から見る日本。日本から見る日系社会。
昨日は、JICAの研修プログラムで、ボリビア、アルゼンチン、ブラジルから日系人婦人会の皆さんがミサリングファクトリーにやってきました。
スペイン語の通訳がつくということで皆さん日本語を話さないのかと思っていたら「こんにちはーー」って。普通に日本語。
日本が初めての方は8名中3名、日本に住んでいたことがある、出稼ぎに来たことがある(逆輸入?)などなど、おひとりのぞいて全員日本語OK。
ではたくさん話しができますね。私の事業の紹介を簡単にしてあとはフリーディスカッションをしてみました。
前情報として海外に詳しい方から聞いていた話し。海外の日系人は日系人同士で結婚する事が多く、現地でも固まって居住しているのだそうです。もう日系4世がいる時代、もっと現地の人と融合しているのかと思うとそうでもないというのを知ってちょっと驚いていたのですが、実際に今回皆さんに聞いてみるとその通り。
各都市、街に、居住区というところがあってほとんどの日系人はそこで暮らしており日系人会があります。日本人としてのアイデンティティを保つため、日本の文化や食を大切に考えているのだそう。その活動の一環として婦人会が日本食を作って振る舞うイベントなどをやっているのだけれども、年々手伝う人が集まらなくなっているとのこと。
「5,000食を20人で作ったりしていて本当に大変。」
「食べに来る人は多いのに手伝う人は少ない。」(ちなみにアルゼンチンでは今日本食が大ブームだそうです。)
「声をかけても『ちょっと忙しくて〜』とか言ってこない。」
「(婦人会に)所属しているだけで会合にも出てこない。」
「手伝いをしない人にはペナルティを課すとかしてるけどそれもどうなのかな。」
…なんかどこかで聞いた話しだ。
どうしたらみんなが手伝うようになるのか。どこの国の日系人会でも共通の課題だそうです。
現地の人と結婚する人も増えて、純粋な日系人は減少してきていることも人が集まらない要因のひとつとのこと。
それは自然の流れ、わたしなんか(それでいいんじゃない?)と思っちゃったのですが、
「でもわたしは自分の子供は日本人と結婚して欲しい。」とおっしゃる方がいたので、
「どうして?」と聞いたら、全員がそうというわけではないけれどと前置きの上、いい加減だったり信用できない人が多いと。
これは現地に住んでいての実感だからそうなんだろうなぁ。
「あと、生活習慣が違う。」とのこと。
日本に来て楽しみになことは?という質問をしてみました。
皆さんは、研修に応募して選ばれたくらいの方々なので、現在の課題を解決したい、日本食をもっと覚えて自分のところで作りたい、新しい情報を取り入れたいと熱心。「食べるのが楽しみ〜」とかいうちゃらいことを言う方はいませんでした。笑
そんな中で印象的だったのは、
「早朝起きて散歩ができること。」
ブラジル在住の方でしたが、ブエノスアイレスでは危なくて散歩なんてできないそうです。
「なんかちょっとあるとこれだもんねぇ。」と銃をこめかみに当てる仕草。
「ほんと嫌よね。」という会話が、わたしたちが「満員電車ぎゅうぎゅうでやだよね」と話すくらいの日常レベルでさらっと交わされ、最近日本もだいぶ不安な社会になってきたとはいえ、平和でありがたい国だなとあらためて思いました。
自分自身はもとよりも家族がひょんなことで死んでしまうということが普通に起きるなんて日本にいると想像できないことでした。
お手伝いに入ってくれたみなこさん、ちえちゃんもみんなと話をして「普段触れることのない日系人社会について知ることができておもしろかった。」と。こういうことができるのもミサリングファクトリーならではですね。
デコレーション大賞の投票もしてもらいましたよー。
アルゼンチンのお菓子のお土産。「甘すぎるけど。」とおっしゃってましたがおいしかったですー。
次回は、キッズのレッスンの見学。そして来週はシフォンケーキを習いに来てくれます。
たくさんの時間を共有するので、もっと仲良くなっちゃいます。土曜日、来週のお手伝いの皆さんもよろしくお願いします。
20日のキッズファクトリーのクラスでは子どもたちとの交流も楽しみです。