イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ創業者でパティシエの弓田亨先生が2023年11月6日に永眠されました。

私がイル・プルー・シュル・ラ・セーヌ（以降イルプル）と出会ったのは、ミサリングファクトリーを開業する前、お菓子で起業を考え体系的にきちんと製菓技術を学べるところを探していた時のことです。製菓学校以外でそのようなところって意外にないのです。ネットで調べて見つけたのはふたつ。そのうちの一つがイルプルでした。

当時、弓田先生、椎名先生、深堀先生の3人体制だった本科コースに入学。一緒に食事に行ったりなど授業以外でもお話し、製菓以外の様々なことを学びました。

先生のルセット（レシピ）は誰でも教えていい。生徒の生徒が誰かに見せてもいい。なんなら書籍に載せても良いとおっしゃっていたこと。

最初はみんなきっちり（ルセットを）守って作ってるんだけど、段々違ってくるんだよなぁとおっしゃっていたこと。

素材が7割（8だっけ？）と言い切っていたこと。

ストイックな天才肌でしたが、3周年にはお花を贈ってくれたり、バター不足の時には「うちに言えばなんとかなるかもしれないから本当に困ったら言って」と声をかけてくれたり、心の優しいユニークなお人柄でした。

長く闘病されていて何年もお会いすることができませんでしたが、今のミサリングファクトリーには素晴らしいルセットと技術以外にも、弓田先生のDNAがたくさん受け継がれていることで、恩返しが出来ているのではと思います。

つまりミサリングファクトリーの生徒さんは弓田亨氏の孫弟子なのです。ぜひ会員の皆さんにはそのことを知っていてほしいです。

過去一緒に撮った写真とか、本当にどこにも探せなくてちょっと悲しい。

お節の講習会に行った時の先生

イルプルーに掲載してもらっているミサリングファクトリーの紹介

弓田亨先生のご冥福を心よりお祈りいたします。先生、お疲れ様でした。本当にありがとうございました。

イル・プルー・シュル・ラ・セーヌの基礎技術を伝承していくために、長く停止していた「フランス菓子ベーシックコース」の開講を予定しています。

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