【レポート】特別な支援ではなく当たり前の日常を│コラボ

いつもお世話になっているさわかみホールディングスの公益財団法人お金をまわそう基金のセミナーに参加しました。

「むすぶ*人と人をむすび、子どもたちの未来を考える」

基金の理事でもある澤上篤人会長の話し、そして一般社団法人コラボ代表の仁藤夢乃さんの話し、そしてコラボを支援するFrom Kitchenの福島利香さんの話し。

コラボは中高生世代を中心とする女の子を支援している団体です。

日本には、JKビジネス、児童買春(仁藤さんは売春ではなく”かいしゅん”と言います。)といった少女をモノとして扱うビジネスがあります。

「売春している中高校生ってどんなイメージ?」

遊ぶお金欲しさ

その場限りの考え

快楽のため

自分は誘われても断る。だからやる人はやりたくてやっている

そういう風に思うかもしれません。

だけどその背景を知ると、そこには大人側の都合により翻弄され搾取されている少女たちの姿が見えてきます。

家族からの暴力やネグレスト、家にも学校にも居場所がない、そんな困難な状況にある子どもが、家にいられず夜の街に出ると優しく声をかけてくるのは悪い人ばかり。お腹が空いていたり帰る場所がない子どもはあっけなくその手に落ちてしまう…。

どうして子どもがそうせざるをえない状況に追い込まれてしまうのか、みんながもう少し関心を寄せてくれたらいいなと思います。

年間の虐待通報件数は10万件、10代の女性の中絶数は年間1.5万〜2万件。

ちなみに高校卒業後に不安定な状況(進学もしない就職もしないなど)に置かれる子どもの数は年間15万人だそうです。

日本は少子高齢化だというのにこんなに多くの子どもたちが困難な状況にあることをご存知でしょうか。

国の支援制度は形骸化して実際に使えないものが多く、家庭のことは家族でなんとかしないさいよ、自己責任でしょという社会の風潮がどんどん子どもたちを追い込んでいっています。社会的な関心も高まり徐々に改善されていくであろうとはいえ、今ここにいるその子はまったなしです。

そこで多くの支援団体ががんばっており、そのひとつが女の子たちの支援活動をしているのがコラボなのです。

少女たちは困っていないように見せることで生き抜いている

家族のことは家族で解決しろと言われどこにも相談できない。

他にもっと安心できる場所があったらいい。

子どもを搾取しない大人たちがもっと増えるといい。

公共支援はハードルが高くて相談にいけない。

現場を知っているからこその説得力のある話しは心に染み入りました。

一昨年のクリスマス、コラボに行って、おしゃべりしながらケーキを作り普段よりちょっとごちそうを作って食べる。そんな時間を女の子たちと過ごしました。

必要なのは特別な支援ではなく「当たり前の日常」。仁藤さんに言葉です。

私だって困ったことがあった時、よく知らない人に「どうしたの?話してご覧なさい。」なんて言われても絶対話しません。

コラボの活動はまず一緒にご飯食べようと声をかけ、時間をかけて関係性を築くことから始めると言います。仁藤さんを含めわたしの尊敬する支援者はみんな、当事者に寄り添い、気持ちを慮り、本人の意思を尊重し、本人が話す気になるまで待つといいます。

今回このことをミサリングファクトリーのブログに書くことにしたのは、ミサリングファクトリーにもたくさんの子どもたちが来ているからです。

自分が困った状況になったり、お友達で困っている子がいる、親にも先生にも相談できない、そんなことがあったら、わたしに話すという選択もあるよということをちょっと頭の片隅に置いておいて欲しいです。信頼のできる人、関係機関につなげることができます。

お金をまわそう基金ではこのような活動をしている団体への支援をしています。こちらもおつなぎできますので関心のある方はお知らせください。

たとえ恵まれない家庭に生まれたとしても、社会が健全な生育環境を保証していくそんな国になって欲しいと思いませんか。そのために私たちには今なにができるでしょうか。

物資や寄付で応援することもできます。

一般財団法人コラボ

公益財団法人お金をまわそう基金

シリアスな問題のため、メディアに露出することが多い仁藤さんは、心ない批判や嫌がらせにもさらされています。にも関わらず明るい笑顔で信念の元に真正面から活動を続けているのです。本当に素晴らしいなと思います。著書「難民高校生」はミサリングファクトリーにも置いてあります。読みたい方には貸し出ししますよー。ぜひ読んでみてね。

シュークリームを焼いていったので、セミナー後、澤上会長のハピバしました。こういう場で本音の話しができたり人と繋がれることもありがたいこと支援しているというより学ばせてもらっていることの方が多いのです。

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