大槌町大念寺でお菓子教室と被災地の今

昨年の南相馬に続き、ご縁あって今年は岩手県の被災地宮古〜大槌町〜釜石から花巻へ行ってきました。たくさんの方と出会い語り合ったのですが、ブログでは大槌町でのお菓子教室を紹介しますね。
今回の会場は大槌町の大念寺。檀家のお母さんたちが集まってくれました。ご一緒したcommunity work for Asiaの奥谷さんがミャンマーからくるみを持ち帰るということだったので、先日のカンボジア国際会議インスパイアのデザート「くるみ入り白玉団子」を作りました。ココナツミルクとレモンバーム入りシロップ。それは単にココナツミルクが1缶しかなかったので「なにかハーブを!」と言ったらお一人が庭からレモンバームを持ってきてくれたから。笑

 

大きなすり鉢でくるみをペースト状にし、大量の白玉団子を作ってゆでて。

お母さんたちは白玉団子なんてお手のもの。お菓子教室と名乗るほどのことではありませんが、「くるみを入れるのおもしろい。」「ハーブなんて洒落たものの使い方を知らないからこういうの教えてくれると嬉しいわ」と。自分の知らないちょっとしたことを学ぶというのはやっぱり楽しいものですね。わたしもたくさん学びがありました!
大槌町 大念寺 お菓子教室

大槌町 大念寺 お菓子教室

みんなでワイワイと大量の白玉団子を仕上げました。器の下には持参したバナナの葉(と思って持って行ったんだけどこれは芭蕉の葉なんだそうです!)を敷いて。大槌町はくるみの産地でもあるそうで、これから大槌町で白玉団子を作る時はくるみを入れようなんて話も出てとても嬉しかったです。大槌町 大念寺 お菓子教室

 

一昨年前にインドネシアのフローレス島、去年は山口県楠クリーン村、行く先々で「お菓子教室やって」と言われるので、今は「流しのお菓子教室」を名乗っています。どんなところでもやります。前情報がほとんどない中「○○を作ろう」とメニューだけ考えておいて、あとは現場対応。足りないものがあれば、あるもので如何に作るかを即興で考える。フランス菓子のように道具や環境に依存するものと違って、アジアンスイーツは自由度高くておもしろいなぁと思います。

さて、大槌町といえば東日本大震災で津波の被害の大きかった町です。住職の奥様から色々お話を伺いました。
大念寺の山門。

大槌町 大念寺

国道からの坂道を多くの人が駆け上がって逃げてきました。そして3mもの瓦礫の山も。
それが山門の前でぴたりと止まったそうです。

大槌町 大念寺

津波に巻き込まれた人が幾人も流れついて、それをみんなで必死に引き上げ、泥だらけの服を切って脱がせお風呂で洗って新しい服を着せ裏山に逃げさせたとのこと。偶然友達が流れてきて、もうろうとしている彼女に「子どもたちがいるんだからがんばって!!!」と声をかけて引き上げたという話は胸に迫りました。(その方は無事助かったそうです!)

地震、津波の後は火事。この地域はプロパンガスなので、そこかしこでプロパンが爆発したそうです。一晩中爆発音と振動に怯え、燃え上がった家が灯籠流しのように流れていく様はまさに地獄絵だったと‥。

 

大念寺には2011年3月11日没の位牌がたくさんあり、なんとも言えない気持ちになりました。今でも身元の分からない遺骨も30体ほどありました。身寄りのない方もいらっしゃるでしょうが5年も経つのに‥と思うと月日が重く感じられました。手を合わせてご冥福をお祈りしました。

今の町の様子。この国道沿いは多くの家や店、ビルなどが立ち並んだ繁華街でした。今はまったくなにもありません。整地が進みきれいになっていますが、5年も経つと住んでいた人たちの状況も変化し、ただ元通りに建物を建てればいいということではなく、ここからの街づくりが大変です。
大槌町 2016年
残された旧町役場。3階の上まで津波がきて多くの方が亡くなりました。ここだけが今残されています。建物の前には慰霊塔がありました。

大槌町 2016年

大槌町 2016年

 

大槌町 2016年 大槌町は交通の便が悪く、観光誘致もなかなか難しいとのこと。でもおいしい海産物、農作物がたくさんありとても魅力的なところ!町の復興のためには多くの人が訪れることが鍵となるのだろうと思いました。

こちらは、宮古の浄土ヶ浜。ここも被災地です。
宮古 浄土ヶ浜 宮古 浄土ヶ浜岩手は豊かな自然に恵まれ、海産物も農作物も本当においしいところでした。簡単ではなくても前をむいてひとつずつ進む人たちのたくさんの笑顔がありました。

岩手、いいところです!ぜひ皆さんも訪れてみてください。私も今回たくさんの方と出会いお友達になりました。またみんなと再会したいと思ってます!